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次世代電子回路を支えるプリント回路業界
98年度の展望を探るNo.14
シャープ(株) 電子部品事業本部 部品事業部長 増井 捷宏氏


 

 −−プリント配線板事業の現況はいかがですか。
 増井 96年度の売上高は約137億円だった。97年度(98年3月期)はPWB、FPC合わせて前年比103%、COFを入れると129%で、165億円程度を見込んでいる。内需が減ったが、外販が前年比160%と増えた。売り上げ構成比はPWB42%、FPC31%、COF27%だ。FPCにはADF(フレックスリジッド)も含んでいる。
 −−COFが好調ですね。
 増井 COFは前年比123%と大幅に伸びたが、海外展開が思惑どおり進んだのが大きい。96年度の輸出ゼロが、97年度は国内70%、海外30%の比率となった。携帯電話向けが好調だ。さらに、97年度はビルドアップ工法も一定の成果を上げ、業績に寄与し始めた。
 −−ビルドアップの状況は。
 増井 PVH(フォトビアホール)を採用して97年度下期からデザインインに成功、すでに売り上げに寄与している。98年度はCSP搭載タイプなどビルドアップで10億円の売り上げを狙う。CSPはシャープの得意とする技術で、CSPチップと基板のセット販売を提案〜推進していきたい。
 −−シャープには様々な基板がありますね。
 増井 ビルドアップのADFがCSP搭載タイプで先行しているほか、FPCをコアにして両サイドに6層、8層のPWBを配したADFはDVC、DSCメーカーに採用されている。携帯電話向けに高周波対応で厚膜化した特殊なビルドアップも開発中で、98年度上期にはこれも業績に寄与してくる。そのほかCG-ROM搭載のCOFモジュール(マルチタイプ)など。ADFはDSC、DVC向けが最も多いが、ハンディタ−ミナル、APSカメラなどに用途が広がっている。生産も堅調で、CSPチップ搭載のマザーボードなど、アプリケーションは今後さらに広がっていくだろう。
 −−98年度はいかがですか。
 増井 当面、98年度上期はPWBとFPCを合わせて前年比120%の業績見通しだ。PWBは横這いかスローダウンだが、FPCのうちADFはビルドアップADFも含めて97年度上期の3倍ぐらいに伸びると予想している。COFは97年度下期で上期比2倍となった。携帯電話の表示用として米、欧、韓国の業界で認知された。97年度下期の生産能力をフルで維持するか、さらに設備を増強するか微妙なところで、決断は7〜8月以降になろう。
 −−設備投資については。
 増井 ビルドアップを立ち上げるために97年度はPVH関連の投資を行った。98年度については、ビルドアップ関連の投資を継続するほか、COFを増強する場合、ボンダーやクリーンルームなどの設備に充当する。また、ビルドアップ基板は今のところPVHだが、将来LVH(レーザービアホール)の採用も考慮している。例えば、0.5mmピッチのCSPを搭載するにはPVHで十分だが、0.3mmピッチとなった場合どうなのか。ビルドアップの将来展開については当分、含みを持って考えていきたい。
 −−シャープのプリント配線板事業の今後の方向性についてお聞かせ下さい。
 増井 長期的には、通信関連とデジタル携帯機器という得意分野に特化して強化していく。今後は高密度実装の技術を生かしたマルチチップのMCMなどモジュール化の方向に進むだろう。設計ノウハウを組み込んだモジュールだ。基板事業の将来を考えると、ビルドアップやADFだけでなく、新しい素材の開発とそれに設計技術をプラスすることがより重要になってくる。また、ビルドアップの多層基板という切り口からは、樹脂パッケージに展開していく方向も見えてきている。いずれにしても、高周波技術もにらみつつモジュール化を進めていくことで、次の展開が見えてくるだろう。
(聞き手・益田清隆記者)

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