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「10億台のコンピューターネット時代」を予測
半導体トップメーカー、インテルのグローブ会長<講演と記者会見>

電子商取り引きは一気に拡大〜96年80億ドル→2002年3270億ドル
日本の情報化投資の遅れに警鐘

 

 半導体のトップメーカーであり世界のパソコン市場に多大な影響力を持つインテル・コーポレーション会長兼CEOのアンドリュー・S・グローブ氏がこのほど来日、都内で「ビジネス・コンピューティングの将来」と題する講演会と記者会見を行った。会場となったホテルには今後のパソコン市場の動向を探るべく数百人に及ぶ聴講者が来場、その講演内容に注目が集まった。
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 グローブ氏の講演の基調にあるのは「将来、10億台のコンピューターがネットワーク化された世界が到来する」というもの。それに乗り遅れた企業は必ず衰退へと向かうと警鐘を鳴らすと同時に、日本においてネットワークのインフラ整備が遅れている現状を指摘した。インテルの今後の事業戦略とPC産業を含めたIT(情報技術)産業の重要性について語った同氏の講演内容と記者会見での発言要旨をまとめてみた。
 ネットワーク化の進展は、コンピューター市場のセグメント化を促進する。インテル自身もそれに対応すべく、各セグメントの特性に合わせた三つのブランド戦略を構築した。ベーシックPC用「Celeron」、パフォーマンスPC用「Pentium II」、エンタープライズサーバー/ワークステーション用「Xeon」という三つの製品を提供していく。
 ベーシック・コンピューティングでは、Celeronプロセッサーを製品展開していく。
 同プロセッサーは、ホーム向けアプリケーションでより高い性能を発揮する。九九年後半には333MHz版を出荷開始する予定。「インテルのベーシックPC用マイクロプロセッサーの設計に携わる技術者は昨年一人もいなかったが、現在では800人に達している」ということだ。
 米国のPC購入実態を見ると、ベーシックPCが27%、パフォーマンスPCが51%、エンスージアストが22%を占め、2分の1はパフォーマンスPC指向だが、ベーシックPCが大きく伸びているのがわかる。
 パフォーマンスPCには、メインストリーム・デスクトップ、モバイル、ワークステーションに大別される3つの動きが存在する。
 メインストリーム・デスクトップは、99年前半にハイスピード化し500MHzもターゲットになる。「なぜ高性能プロセッサーが必要なのか。アプリケーションが豊富な上に、ユーザーサービス、オペレーティングシステム、プラットフォームサービスといったバックグラウンドをMPUが提供するため」でもある。
 モバイルPCもメインストリーム・デスクトップの性能に到達した。デスクトップのアプリケーションとパフォーマンスをモバイルPCにも広げるため、98年第2四半期にモバイルPentium IIの出荷を開始、ミニ・カートリッジ/モジュールで提供した。Pentium IIであるため、デスクトップPCでしか実現できなかった機能を搭載、99年前半には233〜333MHz版も出荷する予定だ。
 ワークステーションでは、98年後半にPentium IIXeonを製品化する予定であり、バンド幅も大きくなる。スロットツールアーキテクチャーと100MHzのシステムバスを採用、システムの管理機能を搭載する。「三年前に製品化したサーバー用製品よりも高性能を実現する」。99年前半には500MHzを超える動作周波数に高速化する方針。
 サーバーに関しては「10億台のコンピューターがネットワーク化された世界では何千万台ものサーバーが必要になる。PCの量産経済効果がサーバーにも適用され、標準量産型サーバーが出現。サーバー市場の成長率は年平均33%に達しており、特にインテル・アーキテクチャー(IA)ベースのサーバーの成長率が高く、97年第4四半期には38%に達した」という。価格性能比で他社製に比べ3倍ほど優れているといい、反対に非IAベースのサーバーは13%にとどまった。
 ミドルレンジからハイエンドサーバーには、Pentium IIXeonプロセッサーを搭載することで性能の向上を実現できる。初のSlot2プロセッサーで従来比2倍以上の高速化と最大2MBまで大容量化したキャッシュメモリーを搭載したほか、フルスピードの2次キャッシュ・バス、システム管理機能搭載などの特徴を持つ。
 またインテルは、次世代のエンタープライズ・ソリューションとしてIA-64アーキテクチャーを開発している。99年に製品化が予定されているMercedプロセッサーは、初の64ビットプロセッサー。
 32ビットアーキテクチャーのハードウエアとバイナリー完全互換となっており、最高水準の浮動小数点演算と3Dグラフィックス・アーキテクチャーを実現。大容量メモリー、I/O、AGP四倍モード対応のグラフィックス・バンド幅などを備え、サーバーおよびワークステーションに最適化していく方針を打ち出している。
 次に、IT産業については、それを支える2大要因として、低コストで高性能なコンピューティングとインターネットを挙げ、特にインターネットがIT業界成長の最大要因であると位置付ける。「全世界のコネクテッドPCは2001年には300万台を超え、97年の2倍以上に増加する」という。
 その一方で「日本はビジネス用途の全PCのうち、わずか23%がネットワークに接続されているに過ぎない。米国では50%が接続されているのに比べ大きく遅れを取っている」と指摘、「日本にとって危険な状況だ」と警鐘を鳴らす。
 実際、インターネットの対人口比の利用状況を見ると、日本は英国に次ぐ第七位というのが現状だ。「インターネットのインフラストラクチャーは、企業のイントラネットなどが9割を占める。この水面下での投資が重要だ」とその必要性を強調する。
 また「これからの商取引はPCからPCによるものがますます増え、96年の80億ドルから2002年には3270億ドルへと圧倒的に拡大する。電子商取引は予想を上回る規模で急成長している」と付け加えた。
 90年代末までには「あらゆる産業が戦略転換点(Strategic Inflectio Point)に直面する。要するにビジネスの仕方が変わる」といい、このコミュニケーションに入らない企業は孤立するのは間違いないということだ。
 さらに「対GNP比の情報化投資を指標とした時に、日本は約2%で米国の半分に過ぎず、やはり世界第7位に甘んじている。その結果、日本は昨年、国際競争力ランキングで一昨年の9位から18位に大きく後退してしまった」と情報化投資が国際競争力に直結することを示唆した。
 そして最後に「インターネットに接続されたPCは、今後10年間にわたり企業競争力の大きな武器となる。10億台のコンピューターがネットワーク化された世界では、情報化投資は冗費ではなく、戦略的に必須な投資である」と結論づけた。

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