半導体用クリーンルーム(CR)市場が大きな変革期に突入する。ここ最近の半導体不況による受注・完工実績数字の伸び悩みといった目先の点に止まらず、300ミリ時代を前にしてミニエンバイロメント手法による半導体工場の出現で、現在のCR環境が劇的に変化する可能性が出てきているためだ。特にウエハーキャリアといった搬送システム系で、次世代半導体工場では大部分においてFOUP(Front
Opening Unified Pod)が採用される可能性が高く、従来のOC(Open Casett)については一部のデバイスメーカーで意欲的に取り組む状況が明らかになってきている。FOUPを採用した場合、従来の様なクリーンルームや搬送形態とは大きく変わってくるため、各設備機器メーカーも半導体メーカーの最終決断を固唾を飲んで見守っている。
既にJ300ならびにI300IにおいてFOUPは標準化されており、装置メーカーも巻き込んで次世代仕様が固まりつつある。国内大手デバイスメーカー10社中8社がFOUP派といってよい。特に東芝、日立製作所、富士通がこのFOUPの採用に積極的になっている。一方でNECと三菱電機の2社ははOCを中心に考えるとしている。残りのメーカーもはっきりとした態度は表明していないが、FOUP派が増えている。
ミニエンバイロメント手法のメリットとしては、SMIFでも実績を挙げているように清浄度はクラス1〜同0.1並みの超クリーンネスが保証される見通しだ。そうなれば周辺のクリーンルームの清浄度を落とすことができるほか、レイアウト変更などによるフットプリントも縮小可能だ。それにより建設ならびにランニングコストの削減につながると期待されている。
しかしFOUPの場合、密閉容器となっているため、材料からの有機汚染などがあった場合のウエハー管理が深刻な問題となる。こうした場合の洗浄技術やリサイクル化の確立が求められよう。
NECや三菱電機では、従来の自動搬送技術を培ってきた自負もあり、既存技術をブラッシュアップする方向で、一部はミニエンバイロメントも取入れていく方針だ。
いずれにせよ、来るべき300ミリ時代においては従来のクリーンルーム方式からの大きな変化は避けられないとみる。極言すれば、ウエハー処理周辺工程のみ清浄度を確保しておけば、従来の様なクラス1の超クリーンネスは必要なくなるわけで、CR設備機器メーカーやHEPA・ULPAフィルターなどのフィルター市場へのインパクトは大きいといえよう。
もちろんすぐ従来の様なCRシステムが無くなるというわけではなく、徐々に変化が訪れてこよう。FOUPを採用したからといっても、例えば、製造装置の修理・点検が必要になったとき、周辺のクリーンルームがクラス1万、1000といったレベルでは対応できない。こうしたミニ環境下でのメンテナンスの問題もクローズアップされるからだ。
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