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半導体用封止材メーカー各社 総合力で勝負の時代に
CSPなど新型パッケージ需要に対応
アンダーフィル材など周辺分野に進出

 

 最近のBGA、CSPなどに代表される新規パッケージの登場により半導体用封止材メーカー各社は、従来のクレゾールノボラック系レジンのみならず、パッケージの薄型化(耐ハンダクラック性)や反りの問題に対応してビフェニル、ジシクロ型も市場で急速に伸びている。特にCSPなどの登場により多官能型の樹脂の製品開発も加速している。価格的には一般市場でクレゾールノボラック型が約1000円/kg、ビフェニル型が約2000円/kgといわれており、ジジクロタイプは性能面でビフェニルに匹敵するものの値段は1500〜1600円/kgとその中間に位置する。
 封止材の97年の世界需要は年間約10万トンと推定され、この内、ビフェニルタイプは同1万〜1万4000トンといわれている。薄型・小型化のTSOPが主流であるメモリー分野に多く、64メガDRAMではほぼ100%が同封止材を使用しているようだ。半導体封止材のシェアは、トップが住友ベークライトで40%(台湾に委託している分も含める)、続いて日東電工25%、日立化成工業14%、東芝ケミカル8%、このほか松下電工や東レ、信越化学工業などがある。
 但し、CSPに代表されるようにパッケージが小型化するため、封止材の使用量そのものが一気に拡大していくとは考えにくい。こうした危機意識があるのか、封止材メーカー各社は、半導体用パッケージやアンダーフィル材など、従来のリードフレームに代って登場する封止材周辺材料に食指を伸ばしつつある。いわば封止材メーカー各社はいよいよ総合力で勝負する時代に突入したといえよう。
 住友ベークライトは世界ナンバーワンの実績を誇り、そのシェアは台湾に技術供与しているディスクリート向けの分を含めると約4割に達するとみられる。生産能力は月4100トンを誇り、この圧倒的な量産を武器にコストダウン戦略を推進する。現状では同2700トンクラスまで落ち込んでいるようだ。BGAやCSP向けの封止材としては多官能エポキシ樹脂をベースとした製品をラインアップ、高耐熱特性や反りの問題を緩和している。また製造プロセス面を見直し、低コスト化を推進する。独自開発したインジェクション成型装置を導入して封止のサイクル時間の短縮化を目指している。既に最大2割のコストダウンが可能とみている。タブレットレス化につながりデバイスメーカーの管理コストの低減にも寄与するとアピールする。
 日東電工は半導体用封止材事業を強化する。主力のクレゾールノボラック型のみならず、ジシクロやビフェニルもラインアップ。特に同社は、価格や耐ハンダ特性も優れるジシクロペンタジエンタイプに力を入れる。
 同社は2年ほど前から同製品「MP-7800シリーズ」を強化している。スモールQFP、SOP、PLCCなどへ拡販する。従来クレーゾール型がカバーしていたがより高機能なチップ、より薄型化が必要なデバイス向けに売り込む。
 また、注目されいているCSP(チップスケールパッケージ)向けなどBGAにはビフェニル型で攻勢をかける。3種類をラインアップしているが、ガラス転移温度(Tg)で140度Cの中温度レベル対応の製品を強化する。
 また封止材をタブレット上に加工するまでの工程で微粉やダストが生じていたプロセスを省いたシステムも確立した。今後はさらにサイズ別の管理も必要ない顆粒成形システムの構築も目指す。
 国内生産拠点は亀山事業所、九州事業所の2カ所とマレーシアの3拠点。全体の生産能力は月産3600トンを擁している。量的には九州がその半分を確保している。
 日立化成工業は下館工場で月産1500トン、マレーシアで同400トンの生産能力を誇る。国内ではビフェニル型に力を入れており、同部門では国内トップ級のシェアを有する。メモリー系に強く、今後はロジック系デバイス向けの製品も強化するとしている。同じくメモリー系に強いところでは東芝ケミカルがある。国内生産拠点は川口工場(埼玉県川口市)と郡山工場(福島県郡山市)があり、昨年春からはシンガポールでも生産を開始、能力はトータルで月1400トンを誇る。
 東レはビフェニル型封止材に特化、同市場で20%弱のシェアを確保している。月間160トンの稼働能力を誇り、前期はほぼ9割稼働が続いた。今年度は下期以降の回復を期待している。64メガDRAMの本格的な市場に立ち上がりに対しては、既存ラインで同200トンまでの能力引き上げには十分対応できるとしている。長期見通しとして2000年までには現在のビフェニルタイプの封止材は3割程度、2005年までには5割程度それぞれ伸びると見ている。この中で同社としては売上高を現在の3〜4倍程度に拡大したいとしている。また新型パッケージの登場に対しては、主力のTABフィルムをベースに、スティフナー(補強材)用接着シートなど周辺材料を強化している。韓国メーカーと合弁でTABフィルムの加工からICのチップ実装まで手掛ける企業をそれぞれ設立しており、高付加価値戦略を拡大する方針。
 松下電工はBGAやCSP向けに液状エポキシ封止材料「CV-5000」シリーズを中軸に拡販を図る。液状封止材ではトップ。また東レエンジニアリングと共同開発した真空印刷封止装置をセットにサブコンメーカーに売り込む。
 BGAやCSPなどの新型パッケージの登場により封止材メーカーも次々と新技術や新たな需要の開拓に迫られている。従来の様な大型のQFPの需要が減退、替ってベアチップと同等程度のCSPが登場するに至って1個当たりに必要な封止材そのものの使用量が激減しており、数量ベースでの大幅な伸びは今後見込めないとする関係者は多い。
 特にメモリー系で採用比率が圧倒的に多いビフェニル型では、メモリーパッケージのCSP化が加速すると見られており、封止材メーカーではこれまでの様な成長率は確保できないのではないかと危惧している。原料供給メーカーが油化シェルエポキシ一社に限られているため、コストダウンがなかなか難しい面もあるようだ。価格が高どまりするようであると、材料メーカー各社は次世代メモリーにおいて、既存製品の改良や代替製品の開発を加速させる可能性もでてこよう。
 このほか封止技術の延長線上で、エラストマーやアンダーフィルといった新規製品の開発、市場参入が盛んになってきている。今後はこうした総合パッケージ技術力の勝負がマーケット上でも展開されそうだ。

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