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次世代電子回路を支えるプリント回路業界 98年度の展望を探る No.18
住友電気工業(株) プリント回路事業部長 木村 壽秀氏
98年度15〜20%成長を展望
フレキでもCSPなどパッケージ分野に展開
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  −−ほぼ2年ぶりですが、プリント回路事業の状況はいかがですか。
 木村 97年4月からFPC(フレキシブルプリント配線板)の一貫生産体制をスタートしたフィリピンの合弁工場(FSCT)は、スケジュールどおり操業度を上げており、すでに80〜85%の稼働率に達している。子会社の住電サーキット(SECT、滋賀県甲賀郡石部町)には、ファインピッチ品の増加に対応して新製造ラインを設備し、98年2月から稼働を開始した。一般電子部品の売り値が下がってビジネスは依然厳しい状況にあるが、ファインピッチ品が漸く実需に結び付いてきたと言える。97年3月期の売上高は前年比20%増となった。
 −−98年3月期はどうでしたか。
 木村 通期で見ると、FPCは新規需要の開拓も含めて伸びている。HDD用途に巻き線の代わりにFPCを使うケースが増えてきたし、PDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)のリード部分にも使われ始めた。PDP向けは今後楽しみな分野だし、ほかにパソコン(PC)並びに周辺機器、光ピックアップ向けなどもある。98年3月期は後半に入ってアジア通貨危機の影響などで全体的に弱含みで推移したが、1月を底に2、3月と再上昇機運にある。通期では13〜15%程度の成長を達成できるだろう。
 −−生産体制はどうなっていますか。
 木村 本部の名古屋は開発型の製品や小ロット品を対象とする「技術センター」の位置付けで、両面板など量産品をすべてSECTに集約した。下工程の加工は中国の松崗電子製造廠(SGEW)。フィリピンのファースト・スミデン・サーキット(FSCT)ではFPCの設計以外の全工程を担当している。HDDやPDP向けのファインピッチ品は、量産ベースで60〜80μmピッチ(回路幅ギャップ30〜40μm)だ。
 −−リジッド(硬質板)では、BGA、CSPなどパッケージへの展開が始まっていますが。
 木村 基本的にリジッドでできることはフレキでもできる。フレキの場合、薄くてストレスも小さいので、リジッドのプラスチックパッケージがフレキに置き換わる可能性は大きい。CSPもMCMも基本的には同じで、接続に関するストレスを小さくできることがフレキを使用する最大のメリットだ。COF(チップ・オン・フレキ)もあるが、フレキは非常に可能性に富む材料だと言える。
 −−FPCの需要はさらに伸びそうですね。
 木村 需要が低迷すると
メーカー間の競争が激化し値段が下がるという難があるが、全体として需要は着実に拡大していくとみる。パソコンなどの情報機器では、高性能化に加え小型軽量薄型化のニーズが強まり、そのニーズに対応できる多機能な素材であるFPCへの需要も益々増大していく。カメラやDVC、DSCなどのAV機器向けも堅調だ。携帯電話を含む携帯端末の分野も有望で、99年3月期も15〜20%の成長を展望している。
 −−FPC事業の将来像についてお聞かせ下さい。
 木村 当然ながら、FPCのファイン化、多層化、高密度化は今後さらに進む。COFの量産も始めているが、ベアチップ、フリップチップなど実装技術が進み高密度化していくほどに、受け皿としてのFPCもより精度を必要とされるようになる。FPCの応用分野はさらに拡大していくが、当社としては売上高の拡大のみに固執するのでなく、販売構成比を重視していきたい。従来製品もだが、新規開発製品がどのように伸びていくかよく見極めながら、収益性を重視した事業展開を行うことが大切だ。中国は四段目の投資が終わったところで、次はフィリピンだ。すでに、今後の需要の急増に対応し切れぬほど稼働率が上がってきている。近いうちに能力を倍増させたい。
 (聞き手・本紙編集部)

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