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特別リポート 300mmウエハー時代到来 No.6/変わる量産工場
FOUP、自動搬送、環境対策などへの対応が急務
生産効率の最適化追求が必要

 


 300mmにウエハーが大口径化することで半導体量産工場の姿が大きく変わろうとしている。今回の大口径化は、単にウエハーが大きくなるだけでは済まない要素を多分に含んでおり、半導体生産システムそのものが問われている。そのため、従来の延長線上では対処できない多くの課題を半導体業界に突き付けている。
 300mm工場を200mm工場と同様の手法で作るとすれば、投資規模は増大する一方だ。大口径化に伴って工場が大型化すれば、建屋建設費の増大だけでなく、クリーンルームの設置コスト、電力やメンテナンスといったランニングコストの増大を招く。
 半導体メーカーが300mmへの移行で期待するのはあくまでもコスト削減であり、従来の手法ではそれを実現できないため、新たな対応に迫られている。設備投資を抑制するには、装置価格の低減だけでなく、工場の大型化をいかに抑えるかが重要だ。
 そのためには、装置単体のフットプリントの最小化、必然的に大きくなるストッカー設置スペースの削減、FOUP(前開き一体形ポッド)の採用によるミニエンバイロメントの導入、工場レイアウトの見直しなど様々な改善が必要になってくる。
 特に、搬送方式が大きく変わり自動搬送システム(AMHS)が必須になる。300mmでは25枚ロットで約7kgと重量が増大、人手による移動が困難になるため完全自動化が不可欠になる。個々の装置間のインターフェイスも共通化する必要も生じている。
 ウエハーキャリアではFOUPの採用が拡大、国内大手10社のうちオープンカセットを使うNECと三菱電機を除く八社が採用を決めている。FOUPの採用は、クリーンルーム環境を大きく変えることにもなる。
 また、環境対策が大きくクローズアップされている。今後の半導体工場においては、有害物質の回収および再資源化、地球温暖化を抑制するためのPFCの大気中への放出防止、エネルギー消費量の削減などが不可欠になっている。その対策は急を要するが、まだ緒についたばかりだ。
 こうした課題が存在する一方で、製造プロセスの効率化を見直す契機にもなっているようだ。「単一の装置のCOOを追求するのではなく、工場の効率化から装置デザインを考える。装置によってはスループットを抑えてでも価格を低減する方向が必要」(日立製作所)との意見も聞かれる。
 装置単体でのスループットの追求から装置間、工程間の効率化、さらには工場全体の生産効率の向上を図ることが検討され始めた。これまでの装置のコスト評価においてはCOO(1枚当たりの処理コスト)が基準だったが、SEMATECHが提唱するOEE(Over Equipment Effectiveness)が導入されるようになってきた。
 OEEは、装置の有効性、生産時間効率、スループット効率、歩留りによって決まる。COOがコスト面での効率の指標であるのに対し、OEEは「時間軸における効率」を示す。装置メーカー側もこうした「時間効率をもっと前面に出して装置を評価していく必要がる」(東京エレクトロン)と指摘する。
 つまり、「各装置のスループットの最大化はその工程あるいは工場全体のスループットを最大にするとは限らず、単に装置コストの過剰な増大を招くのみで投資生産性を低下させる。最大化ではなく最適化を追求すべき」(同)と提案されている。
 300mm工場を実現するためにはまだまだ解決しなければならない課題が多い。設備投資の削減、生産性の向上に向けた最適な量産工場を作り上げることができるかどうかに命運がかかっている。半導体メーカーばかりでなく装置・材料メーカーを含めた日本の半導体産業全体の行く末が決まるといえよう。
(本紙特別取材班)

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