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半導体業界、大型再編の波
TIショックに続き、“韓国”も激震か
日本メーカー同士のM&Aも浮上

 

半導体業界が、いま大きな再編の波に揺れている。先頃発表された米国マイクロンテクノロジーによる、テキサス・インスツルメンツのメモリー事業買収に続いて、モトローラなど欧米メーカー間での合従連衡の動きも高まってきた。また、韓国ではサムスン電子がLGセミコンを買収するとの噂も本格的に浮上している。また、これまで無風であった日本メーカーについても、異なる文化を了解した上で、半導体事業の全面提携、または新会社設立による事実上の合併、などの動きが明らかになってきた。
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業界再編の波に揺れる半導体工場



 6月18日付で発表されたマイクロンテクノロジーによるテキサス・インスツルメンツ(TI)のメモリー事業買収は、半導体業界に大きなインパクトを与えた。TIはかつて、DRAMのトップクラスのメーカーであったが、今後の戦略をDSPおよびアナログ半導体を中心に構成するとの明確な意志の表れから、伝統あるメモリー事業を手放すという離れ業に出た。この買収劇は、TIのメモリー事業の資産をマイクロンが購入することで最終合意に至り、約八億ドルが購入の対象となり、TIのイタリアアベザノ工場、米国テキサスリチャードソン工場、シンガポールの組み立て工場、さらには、TI、HP、キヤノン、およびシンガポールEDBの4社出資のTECHセミコンダクターおよびTIと神戸製鋼出資の日本のKTIセミコンダクターも事実上マイクロンのグループとなる。一方、TIはマイクロンの普通株式約2890万株を取得することで、両社の戦略的ロードマップを強化することになった。
 このTIショックは、もはや弱い部門を抱えての半導体事業は成立しない時代に入ったことを証明している。TIと並ぶ米国の大手モトローラ社もいま、大波に揺られている。米国において1万数千人のレイオフ、さらには、日本法人においても300人のリストラが実行されているもようで、半導体事業の再構築に必死だ。すでにモトローラはDRAMから撤退しており、さらにASIC事業からも撤退することを決めた。米国の株式市場では、ヨーロッパ電機業界の雄シーメンスが、モトローラの半導体部門を吸収するのではないかという噂すら流れている。
 一方、アジア経済危機をまともにくらった形でIMF下に置かれる韓国でも、業界再編の流れが急速だ。本紙が入手した情報によれば、サムスンの自動車は現代に売却され、現代の石油化学はLGに売却、さらにLGの半導体はサムスンに売却との一部報道が流れている。これにはサムスンの家電部門がLGに吸収されるとの見通しもあり、この大型再編劇は、水面下で進行しているようだが、まだ正式な発表はない。マイクロンがTIのメモリーを手に入れたことで、世界最大クラスのDRAMメーカーが誕生することになるが(両社合わせてのシェアは約15%)、サムスンとLGが合体すれば、それを上回る最強最大のDRAMメーカーが誕生することにもなる。
 すでにメモリー依存からシステムLSIへと軌道修正した日本の半導体メーカーにとっても、こうした世界規模での再編劇が影響しないわけはない。二つの大きなDRAMメーカーが新たに誕生することになれば、日本のDRAMメーカーはますます苦境に追い込まれるだろう。すでに競争力のない新日鉄はDRAM事業から撤退し、また、NKKも事実上生産から手を引くことで、川崎製鉄、神戸製鋼を除き、鉄鋼メーカーの半導体参入は惨憺たる有様となった。企業の系列やグループ形成に特色を持つ日本の場合、文化の違うメーカー同士の提携はこれまで難しかった。しかし、これからの厳しい半導体ビジネスを生き抜くためには、これまでの常識にとらわれない戦略的提携が必要とされるだろう。
 本紙が入手した情報によれば、日本の大手3社には動きがないものの、4位以下から中堅メーカーにかけて、日本メーカー同士のM&Aもすでに浮上している。半導体アナリストの南川 明氏(IDCジャパン)は、こうした状況に対し、「現在、世界には200社の半導体メーカーがいる。他の産業に比べ、メーカーの数は多過ぎる。これが業界再編で150社くらいまで絞られれば、皆ハッピーになるだろう」としており、利益を生み出せなくなった半導体産業は、大型再編の波に揺られながら、“2000年以降の新たな戦略”を模索している。
(本紙編集長・泉谷 渉)

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