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ニッポン半導体、98年度は4.3%増

97年度生産は2.4%増の6兆円強
上位で成長率No.1はロームの15.7%
各社メモリー比率を下げシステムLSIに傾注

 

 半導体産業新聞はこのほど、国内半導体メーカー34社の97年度生産実績と98年度生産計画(海外生産分を含む)を集計した。それによれば、NECからオリジン電気までの34社の97年度生産額は、前年度比2.4%増の6兆335億円となり、98年度については前年度比4.3%増の6兆2929億円を見込んでいる。WSTSの世界市場統計によれば、98年度の世界半導体生産は、前年に対し1.8%減の1346億7000万ドルにシュリンクするとしているが、日本メーカーは海外生産を強化することで、この苦境下にあって低いながらも前年度を上回る成長を達成していく姿勢だ。97年度の生産ランキングでは、ロームが上位メーカー中トップの成長(15.7%増)を果たし、国内第7位に躍進したことが注目される。
 国内半導体市場はまさに冷えきっており、最近発表された地域別の売り上げでは、日本市場はついにヨーロッパ市場にも抜かれて、地域別で最低となった。これは正式に記録された半導体の歴史上初めてのことで、エレクトロニクスをはじめとする国内消費がまさにどん底にあることを意味している。自民党政権はここに来て恒久減税などを打ち出しているものの、参議院選挙の結果から見て、もはや国内経済をリードするだけの求心力を欠いている。日本経済そのものの構造的な改革が進まなければ、そう簡単に国内消費は浮揚してこないだろう。
 こうした情勢下で、国内半導体メーカーは、生き残りをかけて二つの大きな政策を推進している。一つは米国、アジアなどでの現地生産を加速し、現地需要に応える一方で、円安を利用しての輸出ドライブをかけることで、国内需要のマイナスを補おうというもの。もう一つは、情報家電に代表される次世代デジタル機器向けのシステムLSIの開発を急ピッチで進め、新たな市場を切り開いていこうというものだ。
 こうした関係から、もはや利益を生み出せなくなったDRAMをはじめとするMOSメモリーの生産については、各社とも今後は絞り込んでいく考えだ。各社のメモリー比率は、96年時点でNEC30%、東芝30%、日立38%、富士通33%、三菱38%と、非常に高かった。
 しかし、97年に入ると、NEC29%、東芝24%、日立35%、三菱34%と、ポイントダウンしており、フラッシュメモリーを拡大している富士通のみが37%と上昇した。九八年度のMOSメモリー比率については、NEC27%、東芝26%、日立29%、富士通35%、三菱28%と、さらにポイントダウンしていくもので、東芝を除いては各社とも下降する。もちろん、次世代メモリーの争点となる256メガから1ギガDRAMの開発については日本は世界をリードしているわけで、こちらに対する量産技術の確立には全力を挙げる一方、プライスダウンの著しい64メガ、16メガDRAMについては、かなり冷ややかに考えているのが実態だ。
 一方、ロジック生産の引き上げについては、各社とも全力投球している。とりわけ、次世代情報家電のキーデバイスとなるシステムLSIについては、各社とも大型の生産計画を打ち出している。
 NECの場合、マイコン、ASICを含むシステムLSIの比率は、96年度で56%であったが、97年度は57%、98年度は59%と引き上げていく。システムLSIのみの生産金額としては、2000〜2001年にも5000億円を達成するという勢いで事業を進めている。東芝のロジック比率は現在30%であるが、2002年にはこれを42%に引き上げ、このうち12%がシステムLSIになり、残る30%がマイコン、ASICという拡大図式を描いている。
 富士通の場合、現在ロジックICの比率は生産額の45%でこのうち30%がシステムLSIといわれており、2001年にはこれを80%に引き上げたいとしている。三菱電機もまた、システムLSI拡大を急加速している。同社のシステムLSI生産額は、97年度で200億円、98年度で400億円に達しているが、2000年には1200億円を達成したいとしている。日立製作所も得意とするSHマイコンをコアとするASICを中心に、システムLSI拡大の道を探っている。
 国内各社の97年度生産額は、上位で一部変動を見た。トップをいくNECは、この厳しい市況下でも総合的に強い体質を持つことから、4.5%増を達成した。しかし、それを除くDRAMを中心とするメーカーは、軒並み生産金額を落としている。カスタムICに強みを持つロームは、15.7%増を達成し、シャープ、三洋を抜いて国内第7位に躍進した。また、ミツミ電機は、中堅から下位メーカー中でナンバー一の成長率(21.7%増)となったことが注目される。上位メーカーでロームに次ぐ成長率は9.7%増のセイコーエプソン、次いで9.1%増の三洋とソニーがある。
 98年度については、上位メーカーは日立のマイナス成長見込みを除いては、各社とも微増を見込んでいる。上位で高成長率を計画しているのは沖電気の14.6%増、三洋電機の8.7%増、NECの7.0%増と続いている。

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