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IBM社、「SOI」製造プロセス技術を確立
銅プロセス初の半導体チップも出荷
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 IBM社(米国ニューヨーク州アーモンク、日本法人=日本アイビーエム(株) 東京都港区六本木3-2-12、Tel.03-3586-1111)は、従来比35%高速な半導体チップ製造プロセス技術「SOI(silicon on insulater)」を確立した。
 同技術は、例えば400MHzで動作するマイクロプロセッサーが、この技術を用いれば、500MHz以上の速さを達成するという。この技術で製造されたマイクロチップはサーバーやメインフレーム、ノートパソコン、携帯電話に至る幅広い分野で利用可能である。
 現在の半導体チップでは、シリコン層の上に直接トランジスターが構成されている。各トランジスターは、トランジスター内に十分な電気が溜まった後、次のトランジスターに電気を伝えていくが、その際、トランジスターに接するシリコン層にも一部電気が滞留する。この電気の滞留に要する時間は、半導体チップの演算速度の阻害要因となる一方、滞留する電気エネルギーは半導体チップの消費電力の上昇を招く。同社独自のSOIプロセス技術は、トランジスターとシリコン層の間をシリコン酸化物で絶縁することにより、この余分な電気の滞留を防ぎ、トランジスターの電気伝導効率を大幅に向上するもの。
 同社はこのプロセス技術により、最大35%演算速度を向上させたマイクロチップを試作する一方、演算速度を同じにした際、現在のマイクロチップに比べ、消費電力が約3分の1で済むSOIチップを開発した。チップ回路を駆動するために必要な電力が削減されると、携帯電話、モバイルコンピューター、携帯情報通信端末(PDA)などのモバイル電子機器や将来の小型ハンドヘルド情報機器のバッテリー寿命を大幅に延ばすことが可能。
 半導体業界では、過去15年以上にわたり、SOI技術を追求してきた。しかし、シリコン層の中に絶縁層を生成することが困難なため、少量生産の実績はあっても量産化には至っていなかった。同社は、絶縁層の微粒子をシリコン上に移植し、その後、その移植プロセスで生じるシリコン上の傷を修復するというプロセスを素早く安いコストで行うことに成功し、SOIチップ量産化が可能になった。昨年9月の銅配線技術の発表と同様、今回のSOIチップは、量産用品向けのSOIの実用化に初めて成功したものである。
 同社は来年の早い時期から、自社のチップ製品にSOIを導入する予定。同社はすでに、ニューヨーク州イーストフィッシュキルの試作ラインでSOIベースのチップを生産しており、99年上半期にはバーモント州バーリントンの量産ラインにこの技術を導入する予定だ。同社はカスタム・チップやPowerPCマイクロプロセッサ−などの汎用製品、さらにはS/390、AS/400、RS/6000サーバー用製品など、広範な半導体製品に同技術を導入していく計画だ。
 すべてのチップは、基本的にトランジスターと配線という2つの要素から成り立っている。半導体業界は集積回路が発明された約40年前から、この両方を改善する方法を追求してきた。同社は、従来のアルミに代わり、電気伝導率が優れている銅を用いることで配線設計を向上した。同社はまた、銅配線技術の開発後1年未満で、銅プロセスに基づく初の半導体チップの出荷を開始している。
 同社独自のSOIプロセス技術は、これまでのトランジスター設計に代わる高速化、低電力化のトランジスター設計を実現する。今回発表のSOI製造プロセスは、通常のウエハー工程の前で行うため、主力の半導体製造ラインをほとんど改造・増強することなく、わずかな費用でSOI技術を導入することができる。

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