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東北大学、未来科学技術共同研究センターを設立
産学共同研究の“フロントランナー”

LOD、ICS設置が特色
霍見教授「日本は制度疲労を起こしている!!」大見教授「アメリカ1人勝ち状態の打破を!!」

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 東北大学は、このほど産学共同研究を行うシステムを構築するための「未来科学技術共同研究センター」(略称、NICHe)(〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉、Tel.022-217-7105)を設立した。同センターの目的は、大学が科学技術創造立国の中核としての役割を果たすために、企業との共同研究により社会的ニーズに対応していくこと、学から産への技術提供、起業家精神にあふれた人材育成などにより新産業を創出する、などにある。

 去る7月27日、仙台東急ホテルにおいて、同センターの開所式・記念講演会が開催された。
 開所式においては、同センター長に就任した四ツ柳隆夫教授は、「このセンターには、産学共同研究を行うシステムを構築するため、リエゾンオフィス(LOD)、インダストリー・クリエーション・セクション(ICS)の二つの部門を設置したことが特色だ。LODは、産の開発ニーズと学の研究能力をつなぐもので、研究者のコーディネート、科学技術情報のデータベース化、技術移転機関、TLO(技術移転特許取得などの支援サービス)との連携を行うものだ。ICSは、世界的な開発研究分野の第一任者である教授を教育義務から開放し、開発研究に専念させ、エリート集団によるプロジェクト研究を推進するものだ。できれば、このエリアが青葉バレーと呼ばれるようになりたい」と述べた。
 続いて東北大学総長阿部博之氏が、「東北大学は、このセンター設立により、産学共同のリーダーシップをとっていきたい。国立大学には今後もこうしたセンターが続々と誕生すると思われるが、われわれはフロントランナーとして頑張りたい」と抱負を述べた。
 同センターには、リエゾン機能を始め、新素材、情報社会、エネルギー、環境、バイオなどの9分野にそれぞれ専任教授が配置され、専任教授は共同研究プロジェクトリーダーとして、産学共同研究を進めることになる。未来情報社会創製分野には大見忠弘教授、未来デバイス創製分野には山下 努教授、未来新素材創製分野には井上明久教授、未来エネルギー創製分野には江刺正喜教授、未来都市創製分野には山田大彦教授、未来材料システム創製分野には石田清仁教授、未来環境創製分野には内田 勇教授、未来生命社会創製分野には半田康延教授、未来バイオ創製分野には熊谷 泉教授がそれぞれ就任した。
 続いて行われた記念講演会では、まず、ニューヨーク市立大学の霍見芳浩教授が「21世紀の未来産業の秘訣と日本再活」という演題で特別基調講演を行った。霍見氏は、「東洋(日本)的経営システムは行き詰まっている。明らかに制度疲労を起こしている。米国は日本を徹底的にコピーし、製造業の復権を果たした。92年ごろが日本脅威論のピークの最後で、これ以後、米国は日本をあなどっている。日本は民主主義の国ではないとすらいっている。最近、米国は中国に接近しているが、これはまだ中国の方が哲学、ビジョンを持っているからだ。日本には戦略、哲学といわれるものは何もない。いまこそ好奇心や創造性を持つ人材がリーダーシップを取るべきだ」と日本の現在のクライシスを喝破した。
 続いて二つの講演が行われた。一つ目が山下 努教授による「新超伝導体12年の歴史と未来」で、二つ目が大見忠弘教授の「シリコンチップに極限の知能を集積する」。大見教授は講演の中で、「アメリカ一人勝ちの状況を打破したい。日本の半導体、エレクトロニクス技術にはオリジナリティーのある優れたものがある。しかし、日本で生まれた技術がアメリカ、ヨーロッパで評価されてから初めて使うという“ブーメラン現象”からはもう決別したい。私共の研究室では、半導体ビジネスのギャンブル性を解決するウルトラクリーンテクノロジーをすでに提唱している。また、高機能四端子デバイスの開発にもめどがついており、消費電力5分の1、処理速度五倍というシステムLSIにも挑戦している。四端子デバイスは、これまでのノイマン流の処理を崩すもので、これを応用すれば、アメリカがもっとも得意とする画像分野で日本は勝てる」と決意の程を披露した。

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