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北陸先端科学技術大学院大学松村英樹教授に聞く
“金属/絶縁体トンネル接合トランジスタ”に世界が注目・LSI集積度約1000倍以上
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北陸先端科学技術大学院大学
松村英樹教授
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半導体を使用しない新しい原理に基づくトランジスタである“金属/絶縁体トンネル接合トランジスタ”が世界的に注目されている。この次世代のトランジスタを提案し、試作に成功している北陸先端科学技術大学院大学の松村英樹教授にこれまでの実験的検証と展望を伺った。
−−このトランジスタを提案された背景は。
松村 集積回路のスイッチング素子として使用される電界効果型トランジスタ(MOSFET)は、チャンネル長が小さくなるとそれに付随して反転層が制御性良く形成できなくなるなどの問題があり、集積回路の高密度化に限界があると考えられている。我々は集積回路を高密度化する一方策として“金属/絶縁体トンネル接合トランジスタ”を提案した。
−−何に着目されましたか。
松村 ソース・ドレインの金属電極間に絶縁膜(トンネル絶縁膜)を設け、そこを流れるファウアー・ノルドハイムトンネル電流をゲート絶縁膜を介して置かれたゲート電極に電圧を印加することで制御するもので、このトンネル接合が新原理の基本となっている。
−−特徴は。
松村 半導体を用いず金属と絶縁体のみで構成することから従来型MOSFETと比較し4つの特徴を持つ。
一つは半導体と比較して絶縁体は大きな絶縁耐圧を確保できるのでトランジスタの微細化に対応できること。
二つは電流を制御するのは絶縁膜にかかる電界のみのためキャリア濃度を問題としない。
三つはトンネル電流と金属電流を用いるため半導体と比較し応答速度が向上する。
四つはトランジスタが絶縁体と金属のみで構成されているため金属配線の一部を局部的に酸化してトランジスタが作製できる。
つまり、従来の半導体デバイスのようにpn接合を作らなくてよいので今までにない簡略化されたプロセスでの集積化が可能であること。
−−独創的かつ野心的な研究だと感じますが。
松村 95年ごろからスタートした研究だが、実際に金属/絶縁体トンネル接合トランジスタのチャンネル長が16ナノ、ゲート絶縁膜厚が38ナノのトランジスタを作製しその動作を確認することができた。研究により半導体集積回路のメモリー容量で表現して約1000倍以上の集積度の向上が一挙に図られるものと期待している。
金属トランジスタはまだ研究が始まったばかりだが、半導体の微細加工技術が集積度64ギガを超えるあたりで限界に達する2010年ごろの壁を超える新技術の有力候補となるだろう。今後はさらに性能確認を続け、企業との連携にも取り組みたい。
(聞き手・長尾伴文記者)
【松村英樹氏略歴】
1948年生 工学博士 専門分野 半導体電子工学・電子デバイス工学 ▽英国サリー大学電気電子工学科研究員(1975)▽東京工業大学大学院総合理工学研究科助手(1977)
▽広島大学工学部助教授(1983)▽北陸先端科学技術大学院大学材料科学研究科教授(1992)
【北陸先端科学技術大学院大学】〒923-1292 石川県能美郡辰口町旭台1-1。
材料科学研究科 松村英樹研究室 TEL.0761-51-1560(直通) FAX.0761-51-1149(代表)。トップページに戻る |
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