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97年度真空機器市場、前年比横ばいの3765億円
98年は半導体市況悪化で低迷/PDPや太陽電池など新規分野に期待

 国内85社合計の97年の真空機器売上高は、日本真空工業会(JVIA)のまとめによると、前年とほぼ横ばいの3765億円となった。97年下期に薄膜形成装置を中心とする真空装置が伸び横ばいを確保したが、98年に入って受注高が大幅に減少、98年の売上高はマイナス成長が必至な状況となっている。
 真空機器は、薄膜形成装置や冶金装置など「真空装置」と真空ポンプや計測器など「真空コンポーネント」に分かれる。97年の真空機器売上高の内訳は、真空装置が2093億円、真空コンポーネントが1672億円となっている。
 真空装置では、半導体・液晶など電子部品の製造プロセスで使われる薄膜形成装置が圧倒的に多く八割以上を占める。一方、真空コンポーネントでは真空ポンプが大きなウェイトを占め、97年売上高は710億円に達しており、ドライポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプがその七割を占める。
 真空機器の売上高は、93年の1965億円を底に94年2450億円(前年比24.7%増)、95年3186億円(30.0%増)、96年3756億円(17.9%増)と3年連続して二桁成長を達成するなど好調に推移した。
 これは、真空機器の主要納入先である半導体・液晶プロセス向けに、薄膜形成装置と真空ポンプが伸長したことによる。真空機器は半導体・液晶製造プロセスで不可欠であると同時に、真空機器全体の約七割が同プロセス向けである。
 真空機器の伸長を支えてきた半導体製造装置市場は、国産装置販売高で見ると、94年度に7032億円(前年度比27.8%増)と過去最高を達成。95年度には大きく伸びて1兆1008億円(56.6%増)と1兆円を突破、96年度は1兆1944億円(8.5%増)と推移した。
 97年度も前年度比10.5%増の1兆3200億円と最高記録を更新している。半導体製造装置のうち、真空機器が主に使われるエッチング装置、CVD装置、スパッタリング装置の販売高は、97年度には約2300億円に達しているとみられる。
 しかし、98年1月以降、半導体製造装置の受注高は大きく落ち込んでいる。日本半導体製造装置協会(SEAJ)では、98年度の装置販売高は前年度比14.6%減の1兆1275億円と予測している。その影響で真空機器の市場も相応のシュリンクは避けられない状況だ。
 98年第1四半期の真空機器の売上受注状況を見ると、売上高は真空装置が伸びて前年同期比40.6%増の1237億円と大幅に拡大したが、受注高は同28.4%減の659億円と急激に減少している。特に真空装置は半減に近い状況になっている。
 真空機器や半導体製造装置の受注状況に直結する国内半導体33社合計の設備投資は、98年度には前年度比23.7%減の9266億円と大きく後退する見込み。市況回復が遅れれば、さらに減額する可能性もある。また、国内での生産ラインの新増設の動きはほとんどなく、98年第2四半期以降も真空機器の受注減は確実とみられる。
 一方で、真空機器のアプリケーションは着実に広がっている。電子分野向けのほかに自動車、食品、鉄鋼など幅広い産業で使われており、その裾野はますます拡大している。最近では、新素材やバイオテクノロジー、太陽エネルギー関連、PDPなど新しい分野での市場拡大が期待されている。
 また、JVIAは、欧米など海外メーカー・団体とのグローバルな協力関係の構築にも力を入れている。欧州には真空関連の工業会がなく、米国には工業会があるものの統計面では真空コンポーネントのみで、真空機器の世界市場の統計調査もままならないのが現状だが、各エリアとの連携を強化していく方針だ。

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