−−今回、半導体産業新聞主催のCSPの市場予測セミナーのために来日しますが、まず貴社について説明して下さい。
スティーブ・ベリー ETPは1978年に設立され、シリコンバレーでエレクトロニクス関係の市場調査レポートを発行してきました。コンピュータ通信、エレクトロニクス製造に関して、戦略的観点から市場とテクノロジーを分析しています。ETPのレポートは1500社以上で活用されており、この数字が私たちのアプローチの正しさを物語っていると考えます。
−−社長就任以来、エレクトロニクス製造の分野に力を入れていますね。
ベリー 環境変化が激しくなるにつれ、アウトソーシングが経営戦略的に重大な意味を持つようになっています。しかし、その基本情報は意外に少ない。ETPは、パッケージングやプリント基板関係のレポートを毎年2、3点ずつ出しており、サブコントラクターに関するデータが高く評価されています。
−−半導体市場は厳しい状況が続いていますね。
ベリー 価格圧力が続いている結果、今春「世界のICパッケージング市場」を発行した時より見通しは暗くなっています。98年のIC市場は1290億ドルから1110億ドルに減り、実に前年比マイナス14%となるでしょう。また、2002年の予測は2420億ドルから1680億ドルに下方修正しました。ただ、個数ベースでは、2002年で950億個から910億個への低下にとどまり、誤差の範囲内に収まっています。DRAMやSRAMは個数予測をかなり下げたものの、アナログのような製品では逆に上方修正したためです。
−−組立市場に対する影響は。
ベリー 当然、価格低下は組立コストの引き下げにつながります。問題は価格の影響を組立がどれくらい受けるかです。これを現在見直し中で、来月のセミナーに最新の数字を持っていきます。
−−CSP市場について非常に積極的な予測をしていますね。
ベリー 97年はまさに「CSP元年」で、実質的に立ち上がり、1億5800万個でした。2002年には61億個まで拡大すると、春に予測しました。CSPの将来はエンド製品市場の要求に後押しされており、基本的な立場は変わりません。しかし、DRAMの個数予測を下方修正した関係で、CSPの予測も若干下げることになると思います。
−−CSPがQFPやBGAに与える影響は。
ベリー 多ピン市場でBGAが引き続き拡大し、低ピン市場にCSPが登場してきたので、QFPは今まで考えられていたよりも成長ポテンシャルが低くなります。QFP市場自体は拡大を続けますが、これまで以上に大きな価格圧力を受けます。これはETPの価格予測にはっきり現れています。2002年頃には、リード当たりの価格でQFPが一番安いテクノロジーになるでしょう。
−−組立サブコントラクターに対して、半導体市場の低迷と世界的な金融不安がどのようなインパクトを与えていますか。
ベリー IC組立を外部委託する傾向はますます強まっていきます。しかし、昨年来の状況はサブコントラクターに二つの課題を提起しました。第一に、半導体価格の低下が製造コスト引き下げの大きな圧力となっており、組立もこれを逃れることができません。積極的に低コスト化できないサブコントラクターは脱落します。第二に、多くのサブコントラクターが過度の借り入れと貧弱な財務体質によって経営的に不安定であることが判明しました。半導体メーカーは、健全な財務体質を持ったサブコントラクターとだけ組みたいと考えるでしょう。
−−アメリカでは、ボード組立のアウトソーシングも進んでいるようですね。
ベリー システム・メーカーは、エンド製品に要求される価格と性能を満たすパッケージを求めます。しかし、ボードレベルの組立コストも無視できません。半導体メーカーは数百社しかなく要求されるパッケージを素早く供給できますが、何千、何万もあるPCBの組立会社が新しいICパッケージに対応するには時間がかかります。この落差を埋めて急成長しているのが有力コントラクト・マニファクチャラーです。ETPは世界のエレクトロニクス製造メーカーのトップ50社を調査し、今月「世界のPCB組立市場」として発行しました。報告書では、主要メーカーのボード組立を製品ごとおよび地域ごとに分け、内製とアウトソーシングの比率を分析しています。
(聞き手・インターカバレッジ代表 坪 正孝)
スティーブ・ベリー氏は、来る11月10日(火)、半導体産業新聞/インターカバレッジ主催のセミナー「CSPがBGA/QFPに与えるブーメラン効果」参加のため来日します。同セミナーでは、同氏のほか、NECの萩本英2氏、ラムバスの直野典彦氏、インターカバレッジの坪正孝氏が講演します。会場は東京/御茶ノ水のホテル聚楽、交流パーティ付で参加費3万6750円。問い合わせ、申し込みはTel.03-3834-5131、FAX03-3834-5189まで。
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