ソニー(株)(東京都品川区北品川6-7-35、Tel.03-5448-2111)は、高温ポリシリコンLCDを小型・高輝度化するため、「DMS構造」と「マイクロレンズ技術」を開発、新しい製品戦略を開始した。1.8型SXGA品では、開口率81%、3000ANSIルーメンを計画している。
DMS(Dual Metal Shield)構造は、基板の裏面にタングステン・シリサイド(WSi)層を形成することで、遮光能力を向上させ、LCDを高輝度化させた。耐光性は12倍、コントラストは2.5倍以上、フリッカーは従来比2.5分の1以下の効果をもたらす。
マイクロレンズ技術は、非球面のスタンパー方式マイクロレンズを新しく搭載することで、集光とカラーフィルターの色分離の効率を飛躍的に向上させた。例えば1.3型79万ドットのLCDに対して、実効開口率84%、光透過率30%を達成、輝度を1.5倍にし、1500ANSIルーメンのプロジェクターを実現するという。
同社はこの新技術により、高温ポリシリコンLCDの高輝度化計画を打ち出した。1.8型/131万画素(SXGA)品で開口率81%、出力3000ANSIルーメンを98年度内に計画しているほか、XGAおよびSVGA製品はすでに9月から出荷開始した。XGA(79万ドット)は、0.9型、1.3型、1.8型があり、開口率63〜84%で、輝度は700〜3000ANSIルーメンを実現、SVGAでは0.9型、1.3型、1.6型があり、開口率は54〜70%、輝度は500〜1500ANSIルーメンに対応している。米国TI社のDMDが、プロジェクター分野で高輝度化しているため、これに対抗した商品戦略とみられる。
このほか高温ポリシリコンLCDの開発では、ビューファインダー用に、0.45型11万ドットと18万ドットに取り組んでいる。データプロジェクター用では0.9型SXGA、リアプロジェクションTV用では1.6型SVGAを開発中だ。
ソニーのLCD事業は、高温ポリシリコンと、低温ポリシコンの2本立てで進めている。両技術を事業の両輪とし、高温技術は小型・高精細化、低温技術は大型化の路線を採り、2000年までは高温技術の方が出荷量は多い見通し。
生産拠点である国分工場(鹿児島県)の高温ポリシリコンLCDの生産能力は、ビューファインダー用が月産45万個、データプロジェクター用が同15万個。
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