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松下技研・松下通信工業、フィルター内蔵シリコン3次元構造型ミリ波ICを開発
ミリ波帯高速・大容量無線通信実用化へ前進


 松下技研(株)(神奈川県川崎市多摩区東三田3-10-1、Tel.044-911-6351)と松下通信工業(株)(横浜市港北区綱島東4-3-1、Tel.045-531-1231)は、従来シリコンデバイスでは困難と考えられていたミリ波帯通信において、マイクロマシン技術により実現したシリコン三次元構造型受動回路上にガリウムひ素(GaAs)の能動回路ICを実装することにより、低コスト化、小型化を実現したフィルター内蔵シリコン三次元構造型ミリ波受信ICを開発することに成功した。
 近年、無線を利用した高速・大容量通信への要求が高まってきており、広帯域が確保できる、周波数10〜30GHzの準ミリ波帯、周波数30〜300GHzのミリ波帯の周波数資源開発が活発になってきている。これまでのミリ波ICとしては、GaAs基板を用いた単機能のミリ波ICが市販されているが、GaAs基板はシリコン基板と比較して値段が10倍近くであるため、高価な基板上で大面積を占める受動回路を形成するミリ波ICの低価格化は困難であった。また、同様の理由で、フィルターを内蔵する多機能のミリ波ICは実現されていなかった。このため、低価格化、高密度回路形成、フィルターとの一体化、がミリ波ICの課題として残されていた。
 同開発品では、新開発技術を採用することで、こうした課題をクリアしている。まず、GaAs能動回路とシリコン三次元構造型受動回路とのハイブリッド化により、大きな面積を占める受動回路を安価なシリコン基板上に形成しており、低価格化を可能とした。また、シリコンマイクロマシン技術を用いた空気を誘電体とする低損失フィルターを新開発しており、これによりミリ波フィルターを低損失化しており(従来の2〜3分の1)、同時に独自構造の伝送線路共振器の採用により、フィルターの小型化も実現し、フィルターをオンチップ化している。また、多層誘電体薄膜を持つシリコン三次元構造基板へのフリップチップ実装技術を開発したことで、ミリ波受信ICを面積比で従来の3分の1(同社比、11×11平方mm)という超小型サイズでシリコン基板上に実現している。
 今回の開発により、ミリ波無線装置を高性能・低価格かつ現行のデジタル携帯電話と同等のサイズで市場に提供することが可能となり、ミリ波帯を利用した高速・大容量無線システムの実用化促進が期待されている。同社では、実用化計画として、2002年にサービスイン予定の高速無線アクセスシステムへの搭載を目指しており、同時に送受一体型・アンテナ一体型ミリ波ICの開発、実用化も推進していく。
 なお、現在国内で19件、国外で4件の特許を出願しており、そのうち2件ずつが登録されている。価格は未定。

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