微細化の進展に伴い、半導体メーカーによるKrF露光装置の導入が一段と進んでいる。
日韓などアジアの大手半導体メーカーを中心に設備投資が縮小していることから、露光装置(i線、KrF)トータルの98年の世界市場での出荷台数は97年に比べ3割近く減るが、KrF露光装置は前年比35%増と好調に出荷を伸ばしている。
大手半導体メーカーは、大口径化の代替手段としてチップシュリンクによる大幅なコスト削減を図るため微細化投資を加速させている。現状ではまだ0.2〜0.25μmが主流だが、来年には0.18μmプロセスでの本格的な量産開始が見込まれている。
64MDRAMに対応する0.3μm以下のプロセスではKrF露光装置が必要となり、97年から一気に同装置の出荷が拡大、98年からは0.25μmを切る量産ラインの構築に向け急速に採用が増えてきている。
本紙の推定では、97年のKrF露光装置の出荷台数は、世界市場で約260台と前年の数倍に急拡大、98年は約350台で前年比35%増と伸長する。97年はステッパーが7〜8割を占めていたが、98年には0.15μmも視野に入れ、スキャナーの比率が向上しそうだ。
最大手のニコンは、98年にはKrF露光装置の半分をスキャナーが占めるのに加え、KrF露光装置の出荷台数がi線のそれを上回る。キヤノン、ASML、SVGLについてもその比率は半々となっており、金額ベースではKrF露光装置が6〜7割を占める。
一方、i線装置の出荷台数は大幅に減っている。97年の約650台から98年には約320台と半分に落ち込み、KrF露光装置を下回る。そのため、露光装置全体の市場規模は、97年には日韓の設備投資の縮小などから、前年を下回る3240億円になったと推定される。98年はさらに縮小して前年比21.5%減の2665億円前後になるもようだ。
本紙推定の世界市場での各社のシェアは表のとおり。ニコンが圧倒的に強く引き続きトップを堅持したが、2位には僅差ながらASMLが浮上、キヤノンは3位となった。
キヤノンは出荷台数ではASMLを上回ったが、金額ベースでは下回った格好だ。ASMLは日本以外の地域で出荷を拡大している。SVGLも好調だ。98年は外国勢がシェアを伸ばしそうだ。
日本市場へはニコンとキヤノンの2社がすべて供給しており、外国系装置メーカーの出荷実績はまだないのが現状だ。
97年の日本市場は1050億円前後とみられ、その7割以上をニコンが押さえている。98年は700億円弱と約35%減少する見通しだ。
技術的にはKrF露光装置は0.15μmでの量産プロセスまで対応できるとの見方が多い。しかし、多品種少量産のロジック生産では今後、マスク費用の増大がネックになるとの懸念が生じている。
従来はKrF露光装置の微細化限界から、EB直描装置とのミックス&マッチが提案されていたが、レジスト感度の向上や超解像技術などでKrF露光装置が0.15μmまで対応できるめどがつく一方で、マスクコスト削減という新たな課題への対応でEB直描装置が採用される可能性が高くなってきた。
また、KrF露光装置の次を担う装置としてArF露光装置の開発も進んでいる。米国のISIいち早く製品化、評価用の出荷を開始しているほか、来年にはニコン、キヤノン、ASMLが製品化の予定で、量産に向けた評価、試作の動きが本格化しそうだ。ただ、量産ラインでは0.13μmプロセスからの導入となるため、本格的な量産開始はしばらく先になりそうだ。
半導体市況は現在、ドン底の状態だが、早ければ年末には高速DRAMの需給がタイトになるとの予測が出始めた。年明けにも256MDRAMにも対応する0.18μmラインの本格稼働に向けた動きが活発化しそうだ。来年前半にはKrF露光装置の受注がさらに上向くことが予想される。

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