英国スコットランド開発公社と世界の半導体関連企業9社は、半導体IPの商取引システムを確立するため、「VCX(Virtual
Component Exchange)」を発足した。ケイデンス、メンターグラフィックス、東芝、台湾TSMCなど8社がまず推進作業グループに参画し、実際の商取引は1999年第2四半期に開始する。
VCXは半導体IPのグローバルな取引所の設置と、IP商取引のための契約、清算、争議処理など特殊ニーズに対応する活動を行う。
世界取引所では、IPの開発者とユーザー間を結ぶため、ウェブサイト・システムを創設する。ここへIP技術と開発者に関する包括的情報を紹介し、全ての関係当事者が技術、ビジネス、法律の側面から取引を評価できるシステムを構築する。
特殊ニーズへの対応として、まず契約面では売り手と買い手がIPの最終的なライセンス取得・供与の契約をすみやかに締結できる助けとなる契約コンフィギュレーターを創設する。これにより共通の用語に基づいて契約を締結できるようにする。
清算ではIP利用の監査と権利使用料の徴収サービスを行う。これは、このような間接部門に人材や予算を割けない優秀な技術を持つ中小企業を大きく支援する。
争議処理では、問題が発生した場合のコストと時間的影響を抑えるために、仲裁や調停のためのルールを導入する。また、買い手と売り手が契約書の中で、仲裁や調停によっても解決不可能な問題が生じた場合、争議がどの国でなら裁定が可能かを特定し、支援する。
VCXは99年第2四半期に商取引を開始し、第4四半期にはフル活動する。最初の3年間はスコットランド開発公社が運営予算を充てバックアップするが、その後は産業界のメンバーが協力して費用を出し合って運営することを理想としている。
VCXの推進作業グループにはARM、ケイデンス、ISS、メンターグラフィックス、モトローラ、フェニックス、TSMC、シーメンス、東芝の9社が加盟した。IP産業の規模は現在の170億米ドルから、2000年には250億米ドルに拡大するとの予測も出ている。
スコットランド開発公社は、同地を次世代半導体およびエレクトロニクス製品の設計分野での中心地とするため、IPの設計開発拠点や研究機関などを1カ所に集めた「アルバセンター」を計画している。VCXはここに属し、要の1機関となる。
システムLSI製造では、最適なIPの検索、使用権の交渉、権利使用料などの複雑な手続きが産業の進展を疎外する懸念が指摘されている。そのためVCXは、まだルールが確立されていないIP商取引の混乱を防ぎ、製品の市場投入が遅れたり、本来得られるはずの利益が得られなくなることを未然に防ぐための、世界初の試みである。
VCXは提供するサービスによって、利用者は取引に要する時間とコストを少なくとも50%は削減できるとしている。また、従来のVSIアライアンスは、技術面の仕様標準を確立する役割を継続して果たし、VCXとは共存する関係である。
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