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| 2007年9月19日 水曜日 | |||
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半導体キーパーソンに聞く! 日本ケイデンス・デザイン・システムズ社 社長 川島良一氏 半導体設計ツールの世界トップリーダー
ケイデンス・デザイン・システムズ社は、1988年5月に設立され、シリコンバレーの中心地であるカリフォルニア州サンノゼにその本拠地を置く。半導体設計のEDAツール分野においては技術およびマーケットにおいて世界のトップリーダーとなっている。トータルセールスは、14億ドル(2006年)に達しており、全世界に5200人の社員を擁している。ケイデンス社は、設立して10カ月後の1989年4月には、早くも日本市場における業務を開始している。97年3月には日本法人である日本ケイデンス・デザイン・システムズ社(横浜市港北区新横浜3-17-6、Tel.045-475-2221)を設立し、マーケットの拡大を図っている。今回は、日本法人を率いる川島良一社長にケイデンスの持つ強みと、日本市場の可能性についてお話を伺った。―川島良一社長は、千葉県のご出身と聞きました。 川島 九十九里浜で生まれ、小中高を過ごし、その後東京に出て、電気通信大学で物性工学を学んだ。卒論は「ポリベンジルアミンの共鳴吸収」がテーマであった。76年に半導体製造装置大手の東京エレクトロンに入社し、輸入CADのサポートを中心とした業務に携わった。最後はデザインシステム課長の職にあったが、その後イノテック社に移り、ここでケイデンスのツールのサポートを徹底的にやった。2003年7月、日本ケイデンス・デザイン・システムズ社の社長に就任し、現在に至っている。 ―ケイデンスとの出会いは、かなり早かったですね。 川島 ケイデンスの技術に初めて触れたのは、1985年であった。その時、ケイデンスは、フレームワーク上に、ユーザーが開発したツールを統合できる技術と設計の自動化ツールを持っていた。当時、多くのユーザーが自社で設計ツールを開発しており、それらユーザーのツールとケイデンスのフレームワークおよび、設計自動化ツールを組み合わせることにより、より良い設計環境の構築が可能であると思われ、この概念は日本のユーザーに受け入れられると確信した。もともとは、ナショナルセミコンダクター社のジム ソロモンの発想が基礎であった。ECAD社とSDA社が対等合併し、ケイデンスが誕生するが、その後もタンジェント社、ゲートウェイ社、バリッド社、CCT社などを買収し、オールマイティな力を備えていった。 最近では、02年にシンプレックス社を買収し、0.13μm以下の半導体プロセス技術分野を強化した。同じ年に、ナノメータープロセス設計向けアーキテクチャー(Encounter)を発表し、世間を驚かせた。03年にはGet2Chip社を買収し、ナノメーターレベルの次世代シンセシス技術を強化した。05年には、Verisity社を買収し、検証ソリューションを強化している。 ケイデンスの強みはなんといっても、こうしたLSI設計に関するあらゆる部門を内部強化にとどまらず、買収によりその力を総合的なものにしていったことだ。 ―ところで、第14回LSIオブザイヤー2007(半導体産業新聞主催)では、設計環境−開発ツール部門の準グランプリを獲得しました。 川島 これは、業界標準のCPFをサポートするローパワー設計ソリューションが評価されたものだ。設計を開始する段階で、設計者の意図をCPF形式で記述すれば、電圧供給遮断など先進的なローパワー技術の複雑な処理、シーケンスの機能検証が可能となる。また、特殊なセルの挿入や配置配線処理がすべて自動で行われることも大きい。 ―先ごろ、高度な検証環境を容易に構築するため、ケイデンスの検証手法をサポートし、推進するサード・パーティーを通じた支援プログラムを発表しましたね。 川島 複雑化するLSIの開発においては、検証漏れがシリコンリスピンの原因の多くを占める。これを回避するためには、効率的な検証手法、検証方法論を正しく適用する必要がある。ケイデンスはこのプログラムを提供することを決めたが、日本国内において実に有力な5社がこのプログラムに参加することになった。参加を決めた5社は、アクティブテクノロジー(株)、(株)エッチ・ディー・ラボ、(株)沖ネットワークエルエスアイ、匠ソリューションズ(株)、ベリフィケーションテクノロジー(株)だ。 日本市場は世界の20%占有し重要エリア ―日本のエレクトロニクス企業の評価については。 川島 本音を言えば、日本のシステム設計はすばらしい、の一語につきる。少なくともまともに動くシステムLSIをきっちりと作れる、という点で日本勢は強みを持つ。ケイデンスは、ローパワー設計、およびシステムLSI(SoC)については、誰よりも先行し、その方法論を確立した。それだけに、日本メーカーとのコラボレーションが絶対に必要とみている。ちなみに、日立製作所様はケイデンスのEDAツールを全面採用することを決め、設計効率を2倍、設計期間を40%短縮することに成功した。このことの持つ意味は大きい。 ―全社的にも日本市場重視という方針ですか。 川島 そのとおりだ。すでに、ケイデンス全体の売り上げにおいても、日本市場はワールドワイドの20%を占めており、非常に重要な市場となっている。日本法人には240人が従事しているが、このうち営業が40人、技術が150人、マーケティングその他が50人となっている。ケイデンスの電子設計ツールの開発、販売サポート、設計支援サービスを行っているが、03年4月にはこの日本にR&D部門が設立されており、日本独自の開発も増えてきた。今後もマンパワーは増強していく構えだ。 「バーチャルエンプロイーになれ!」と訓示 ―社員には、常にどう呼びかけているのですか。 川島 バーチャルエンプロイーになれ、といっている。つまりは、富士通様、東芝様、日立様などのお客様の仮想社員のつもりで、お客様の課題を理解し、お客様とともに最善の解決策を見つける、ということだ。先ごろ、日本のエレクトロニクスの弱点が多く指摘されるが、私自身は日本人の開発スピリッツは決して衰えていないと考えている。何よりも日本の良いところは、米欧やアジアなどに比べて、個々のエンジニアレベルでは圧倒的に強いことだ。日本が得意とするデジタル家電の世界も65nm、45nmという世界に突入しており、ローパワーで、かつ高速設計、検証ということがキーワードとなる。ケイデンスは、こうした日本の先端的な方向性に対し、十分に貢献できると自負している。 聞き手・本紙編集長 泉谷 渉 (本紙2007年9月5日号より) |
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